スーツをクリーニングする頻度は?【クリーニング屋の知恵袋】

今年度に晴れて社会人となりスーツデビューした方も多いことと思います。最近はスーツを着ない職業もたくさんありますが、会社の研修会や慰労会など何らかの形でスーツを着る機会があるかと思います。そしてスーツを着たけど汚してないしケースに入れておけばいいやとしまってしまい、しばらくしてまた着ようと思ったらカビだらけ、なんて経験をされた方はたくさんいるでしょう。放置するのは良くないけどどこに持っていったらいいか分からないし、いざ持っていったら色々進められて値段が高くなってしまった。なんて経験のある方のために、スーツのクリーニング頻度や料金、必要な加工サービスなどを解説していきたいと思います。スーツデビューしたばかりの方やこれから社会人になる学生の方に少しでも役に立てばと思います。

 

まずスーツクリーニングする頻度のお話の前に、スーツに付着する汚れの種類について解説していきます。スーツを着て生活しているとスーツの内外から様々な汚れが付着していきます。汚れにはひと目でわかるものもあれば見ただけでは全くわからないものまで様々であり付着したものによっては後々黄変やカビ等の更なる悪影響を与えるものもあります。そういったものの情報を知っておけばスーツに限らず、直ぐにクリーニングに出さなければいけないものの見分けが付きますので知っておいて損はないでしょう。

スーツに付着する汚れの種類

 まず外部からの汚れですが、一番多いのは空気中に漂っている砂埃や花粉などですね。これらは毎日少しずつ蓄積していきますが日々のブラッシング等のお手入れで十分落とせます。問題になってくるのは飲食物の食べこぼしです。これらは付着を確認し次第直ぐにクリーニングすることをおすすめします。色のついてない食べ物や飲み物はついて直ぐにおしぼりなどで拭けば目立たないですし乾いてしまうと案外見えないものなのでそのままにしてしまう方も多いですが、見えないだけで飲食物の成分はきちんとスーツの繊維の中に残っており、後々になってシミやカビが生えてしまう原因になってしまいます。これらの汚れは発覚まで時間がかかるために大事な時に着られなかったり完全に復元できなくなってしまったりということもありますので、大丈夫だと思わず直ぐにクリーニングに出しましょう。
 続いて内部からの汚れですが、これは人からでる汚れであり大きく分けると皮脂と汗になります。どちらも代謝の一環で排出されるもので下着を通して少しずつ衣類に浸透していきます。ですから同じ衣類を何度も着るようであれば定期的なクリーニングをおすすめします。一つ注意しなければいけないのは、皮脂と汗では汚れを落とすための洗い方が違うということです。皮脂は体からでる「油性」の汚れであり、汗は「水性」の汚れです。後ほど詳しく解説しますが水性の汚れである汗は通常のドライクリーニングをしただけでは完全に取りきれないため汗の成分はそのまま残ってしまいます。クリーニングをしてしまったのに半年後に着ようと思ったらカビが生えていた、という話の多くはこれが原因かと思われます。ちなみにこれは前述の食べこぼしに対しても同じことが言えるのでクリーニングの際には店員の方に、汗をかいた、油をこぼしてしまった、などの衣類の詳しい状態を伝えるとそれに応じたクリーニングを行ってくれるので必ず伝えるようにしましょう。
以上の汚れの話を踏まえた上でスーツのクリーニングの頻度に戻りますが、季節によって頻度は変化します。勿論一番頻度が大きくなるのは夏場であり、その他の季節は着用状況次第になります。今回は夏場とそれ以外の季節別の大まかな目安をお伝えします。

季節、条件毎のクリーニングの頻度

 まず一番汗をかく夏場ですが、着回しの少ない人は2週間に一回程、曜日ごとに違うスーツを着回す方でも一ヶ月に一回はクリーニングに出しましょう。クリーニングに出しすぎてもスーツが痛むのが心配という方は、衣類に与えるダメージを少なくする高級洗いのサービスを行っている所もあるのでそちらを利用してみましょう。勿論値は張るのでスーツの着用年数とお財布の間で相談してみてください。
続いてそれ以外の季節、特に冬場ですが、毎日同じものを着ている方でもない限りは基本的にしまう前の洗い、つまりワンシーズンに1回の洗いで十分な場合が多いです。心配な方はシーズンの真ん中で一回中間洗いを挟んでみるといいでしょう。
もちろん着ている最中に食べこぼし、泥はね等があった場合はその限りではありません。直ちにクリーニングに出しましょう。基本的に汚れは時間が経つほど落ちにくくなりますので早めの処置を心がけてください。
 スーツは社会人の戦闘服と呼ばれる位重要な衣類です。いざという時にカビが生えていたり皺だらけだったりなんてことでは目も当てられません。正しい管理を身につけていつでも綺麗なスーツで仕事に望めるといいですね。

 

スーツの上下一式のクリーニング費用は1,000円から2,000円が一般的と言われています。しかし一般的なドライクリーニングの内容は、特別な処置がない限りはどのお店もそう大差なく基本的には同じ洗いをしています。ではどこで料金の差がつくかというと、洗いではなく仕上げや付属している加工、仕上がった品物の受け渡し形態によって変わっている場合がほとんどになります。ここで一番わかりやすく値段が変わるのが品物の受け渡し方法です。受け渡しの方法は利用のしやすさに直結する部分なので自分のライフスタイルや金銭事情と相談しながら使いやすいクリーニング店を選んでいきましょう。

営業形態別の参考料金

 サービス内容が同等だとして、一般的に金額が安くなるのが店舗型のクリーニング店です。受け渡しにはこちらが直接出向く必要があり、営業時間も決まっているためこちらの負担もそれなりにありますが、その分金額は割安になっている場合が多いです。店舗型でのスーツの相場は1,000円から1,300円ほどであり、場合によっては1,000円を下回る場合も多々あります。手間が掛かってでも少しでも安く利用したという方は店舗型のお店を利用しましょう。
 逆に高めの料金設定になっているのが集配タイプのクリーニング店です。お店の人がこちらの指定した時間に家に来て受け渡しをしてくれるので手間はかかりませんがその分料金は割高になっています。店舗型と比べると大体3割程値上がりしている場合が多く、相場は1,500円前後になる場合が多いです。若干値は張りますがこちらのライフスタイルに向こうが合わせてくれるので手間を惜しむ方であればこちらをオススメします。特にクリーニングの受け渡しのためだけに毎回車をだして出かけているという方は、外出の時間やガソリン代を考慮するとほとんどコストパフォーマンスが変わらない場合もあるのでその辺もよく吟味した上で検討してみましょう。
 上記二つと違って特殊な料金体系なのが宅配のクリーニングです。品物によって値段が変わるのではなく〇点で〇〇〇円という方式を取っているところが多いです。高単価なものをまとめるほどお得になるので、例えば10点で6,000円というサービスの場合、スーツの上下一式を5着お願いすれば一着あたりはわずか600円になり店舗型よりさらに安く利用できます。とはいえ一度にたくさん出さなければいけないのでこまめな利用には適しません。衣替えの際のしまい洗いの時等に利用するのが良いでしょう。

スーツに付属させる加工の料金

 店舗ごとの金額解説が終わったところで、今度はスーツのクリーニングの際に一緒に行うことの多い加工について説明します。追加料金で行うことがほとんどですが時期によってはほぼ必須とも言える加工もありますので、あらかじめ予算に組み込んで考えましょう。

ウェットクリーニング

 通常のドライクリーニングとは別に行う水を使った洗いのことです。お店によっては二度洗いだったり汗抜きクリーニングだったりと様々な名称があります。石油系の溶剤を使ったドライクリーニングと水洗いを合わせることで衣類についた油性と水性の両方の汚れを落とします。夏場の汗をかく時期には是非一緒に行って欲しい加工で、夏場以外にも片付ける前のしまい洗いではこの加工を一緒にしておくことで汚れ残しを防ぐことができます。価格は上下それぞれ5~800円程でジャケットよりズボンの方が若干価格は安くなります。

折り目加工

 ズボンの線を長持ちさせる加工です。折り目を保つだけでなく、消えてしまっても軽く湿らせ一晩吊るすことで折り目が復活する効果もあります、髪にかけるパーマをイメージしてもらえばわかりやすいでしょうか。毎日アイロンで線をつける手間が省けますので、一人暮らしのサラリーマンや忙しい主婦の方には特にオススメな加工です。価格は800~1,200円とやや割高ですが一度加工を行えばワンシーズン程は持たせられますので長期にわたって効果を実感できるでしょう。
 他にも有用な加工は数多くありますが、上の二つは特に意識してスーツの状態と相談しながら付加していくとよいでしょう。特にしまい洗いの際は複数の加工が重複しやすいので、それぞれにかかる費用を覚えておき予算の管理に役立ててください。

 

スーツをクリーニングしたいが近日中に使う用事がある、しょっちゅう使うのでクリーニングに出す暇がない、なんて話はよくあると思います。クリーニングにかかる時間を知っていると予定も立てやすいですし直前になって慌てることもありませんよね。今回は各種店舗、クリーニング内容別にどの程度時間がかかるのかということをお話します。

クリーニング店の営業形態別の納期

 まず大前提として通常のドライクリーニングのみを行なうのであれば、工場に納入されて検品から洗い、仕上がりまでにかかる時間はおよそ一日です。クリーニングは時間がかかるイメージがあると思いますが、高級なクリーニングでも洗って仕上げるだけなら一日あれば十分なのです。ではどこで納期に差がつくかといえば、品物を受け取ってから工場に納入されるまでの間、そして仕上がってから自分のもとに戻ってくる間の差にあります。ただし一つ留意しておきたいのは、最短期日はあくまで通常のクリーニングのみの場合です。シミ落としなどの各種加工を一緒に行う場合には余計に時間がかかることは覚えておきましょう。

店舗型のクリーニング店

 一番早いのは店舗に持ち込む方式のクリーニング店で納期は当日仕上げから最長でも3日程です。店舗型は工場の近くに併設されている場合が多く、お預かりからすぐに洗いに移ることができますので仕上がりまでが比較的早いのが特徴です。また忙しい方のための当日仕上げクリーニングはほとんどが店舗型の特権です。当日仕上げはお店によって異なりますが大体午前9時頃までに持ち込むことで午後5時前後には仕上がっていることが多いですので、出社前にクリーニングにだして会社帰りに出来上がった品物を受けとるということが可能です。毎日ワイシャツを着る営業マン等には重宝する仕組みですね。とにかく納期が短いのでとにかく急ぐという方は店舗型クリーニング店の当日仕上げを利用するのがよいでしょう。

集配クリーニング

 集配クリーニングの場合ですが、納期は3日から一週間程です。集配営業は毎日決まったコースを回るルート営業の形態を取ることが多く、週に1回ない2回決まった時間に自宅に訪問してもらい、クリーニングの預かりとお届けをしてくれるサービスです。基本的に預かった品物は次回の訪問でお届けする形になります。ある程度の融通じゃ利きますので急ぎの品物であることを伝えれば納期を短縮することは出来るでしょう。とはいえルート営業は自分のコースを一日回っていることが多く品物が工場に入るのはどうしても次の日になりますので、店舗型のような当日仕上げは基本的に不可能になります。例外として工場に近い地区を担当している営業マンはお願いすれば可能なこともありますし、キャンペーンの一環で集配当日仕上げを行うクリーニング店もありますのでどうしてもという人はお店に確認をとってみるといいでしょう。ただし集配クリーニングの当日仕上げは営業マンにかなりの負担がかかっていますので可能だとしてもほどほどにしておきましょうね。

宅配クリーニング

 そして一番時間がかかるのが宅配クリーニングです。納期は最短でも五日以上かかることが多いですが、中にはリネットのように二日でできるところもあるようですね。宅配クリーニングで二日は正直破格だと言えます。因みに集配クリーニングと宅配クリーニングの違いですが、集配は担当の営業マンが定期的に訪問してくれるもので、宅配クリーニングは必要な時に連絡を入れて配達をお願いするものです。普段から訪問してもらうのが煩わしく必要な時だけお願いしたいという方は宅配クリーニングが適しているでしょう。
宅配クリーニングは全国どこでも対応している分配達にも時間がかかりますので急ぐ品物はおとなしく店舗に持ち込むのが無難です。その代わり宅配クリーニングは長期保管を無料で行ってくれるところが多いので、しばらく使わないものを預かってもらいたいという場合に利用するのがよいでしょう。

スーツに付加する加工別の納期

 前述した納期はあくまで通常のクリーニングだけをした場合の納期です。品物の状態によって様々な加工を付加することもありますので、加工毎にどの程度時間がかかるのかも知っておきましょう。

ウェットクリーニング

ウェットクリーニングの納期は一週間かかる場合が多いですね。時間のかかる要因は水洗いの部分にあります。本来は水洗いのできない衣類を水洗いするので高い技術が求められ相応に時間もかかります。ウェットクリーニングの比率が多い夏場には余裕を持ってクリーニングを出すようにしましょう。

スラックスへの折り目加工

 折り目加工の納期も一週間程になります。折り目加工は通常のクリーニングを終えてから別途処置を施す加工なので普段より時間がかかります。一度付加すれば最低でも数ヶ月は持続する加工なので仕上がりを急がないしまい洗いのタイミングで忘れずにつけておくとよいでしょう。

撥水加工

 撥水加工の納期は通常のクリーニングと同じです。撥水成分は洗いの際に一緒に付加する場合が多いので時間がかからないのです。撥水加工は水をはじくだけでなく空気中の埃や食べこぼしの付着も防ぎますがクリーニングの度に落ちてしまうので余裕があれば毎回お願いしておきましょう。
 同じ品物でもお店の仕組みや施す加工によって必要な時間が変わってきます。時間に追われる社会人にとってクリーニングが間に合わなかったは死活問題ですし、今必要なクリーニングにどのくらい時間がかかるかをきちんと覚えて効率的に利用していきましょう。

新潟の話

クリーニングの会社は全国展開しているところは少なく、別の場所で同じ名前のクリーニング屋を見かけることはほとんどないと言っていいです。ですからせっかくおすすめしても住んでいる地域にはないということも多いかと思いますが、今回は私の地元である新潟県でおすすめのクリーニング屋を紹介します。
 新潟でクリーニングを利用するのであれば、断然「ワタナベグループ」をおすすめします。ワタナベグループは長岡を本拠地とするクリーニングの大手であり、県外進出こそほぼしていませんがその代わりに県内ではダントツでトップのシェアを誇っています。
 ワタナベグループの売りは大手ならではのできることの多さにあります。一般的なクリーニング品はもちろん布団や絨毯など寝具類、毛皮や着物など通常洗いの出来ないデリケートな品物、さらには靴やチャイルドシート等一風変わった品物も取り扱っています。技術の高さも目を見張る物があり、通常では落とせないシミを落とすリメーク加工や衣類のかけはぎ修理等高い技術が必要な処置も行います。ワタナベグループはクリーニングに関連した企業の集合体であるため各分野のスペシャリストが集まっており、それによってこのような多様な業務内容を可能にしているのです。
 そして技術力もそうですが、私が特にこの企業をおすすめする理由は地域密着型の経営方針でとにかく親身に接してもらえることにあります。ワタナベグループでは通常のクリーニングの他にもハウスクリーニングやウォーターサーバの設置、さらには草刈や不用品回収などもはやクリーニングとは関係なさそうなものまで地域の企業と連携して対応しています。そしてそれをワタナベグループの外交営業員がお客様との窓口となって全て取り持っているのです。外交営業員は地区ごとに担当者が決まっており、定期的な訪問以外にも季節だけの訪問や昔ながらの御用聞きスタイルなど相手に合わせた訪問スタイルで寄ってくれます。そのためクリーニングがない人でも来てくれることが負担になりにくく、困ったときにはその外交員に相談すれば解決策を提案してくれるのでいろんなところへ相談する手間も省けます。確かに専門の業者に比べ若干割高な部分はありますが、いつも来てくれる人が相談に乗ってくれて業者まで手配してくれるというのは利用者視点から見ればこれ以上ない安心感があると言えるのではないでしょうか。
 以上ワタナベグループの良さについてざっくりですがお話させていただきました。後半部分はクリーニング店としての良さとは少し違うかもしれませんが、逆にクリーニング屋でありながらそれを可能にするだけの信頼感があるということでもあります。もし新潟でクリーニングを利用する機会があれば、是非利用してみてください。きっと人柄のよさに満足できることと思います。

 

衣類を洗う方法は大きく分けて二つです。石油系溶剤を使って洗うドライクリーニングと水を使って洗う水洗いの二つがあります。水洗いなら家で洗ってもいいのかと思うかもしれませんが勿論クリーニング店ならではの水洗いの仕方を行います。今回はクリーニング店での水洗いについてお話します。

ランドリークリーニング

 クリーニング店の水洗いにはランドリークリーニングとウェットクリーニングの二つがあります。ランドリークリーニングは原理としては家庭での洗濯機でのクリーニングと一緒ですが、一番の違いは洗う際の水の温度です。家庭での洗濯機での洗濯水は常温の水を使いますが、ランドリークリーニングでは40~60度のお湯を使って洗浄を行います。一般的に皮脂汚れは35~40度で溶け落ちると言われるので家庭の洗濯では落ない皮脂汚れもきれいに落とすことができます。またランドリークリーニングは漂白剤や蛍光剤も混ぜながら品物毎に適切な洗いを行いますので特にワイシャツなどの白物は映えが良くなります。さらにワイシャツの洗いでは必要に応じてノリを混ぜて洗いますが、このノリにはシャツをパリッと仕上げる他に汚れがノリに付着するという効果もあります。そのため次回のクリーニングでノリごと汚れが剥がれ落ち綺麗なシャツを保てます。以上のようにクリーニング店の洗いの方がより効果の高い洗いを行えますが、洗いの技術自体は家庭の洗濯機と変わりませんので、洗剤や洗い方を工夫することで家庭でも同等とは言わずとも近いレベルのクリーニングはできます。

ウェットクリーニング

 そしてランドリークリーニングと違い家庭では真似できない水洗いがウェットクリーニングになります。ウェットクリーニングはスーツや礼服などの水洗いができないものに付いた水溶性の汚れを落とすために水を通して洗うことをいいます。通常ドライクリーニングしかできないものを水洗いしてしまうと縮みや型崩れを引き起こしとても着られたものではなくなります。しかし汗などの水溶性の汚れはドライクリーニングでは完全に除去できず後にカビや色落ちが発生する原因となります。それを防ぐために、水で洗うというよりは水を通すようなイメージで型崩れや縮みを防ぎつつ水溶性の汚れを落とすのがウェットクリーニングになります。ウェットクリーニングは本来洗えないものを洗う繊細なクリーニングなので高い技術力と相応の時間が必要になります。しかしウェットクリーニングはまだ品質表示ができて新しくお店によって技術力にムラがあります。特に新しい品質表示の中にあるとても弱いウェットクリーニングを行う表示はとても高い技術が必要でこれを洗えるクリーニング店は限られます。逆にこれを扱えるクリーニング店は技術については一流の証拠ですので信用してもよいでしょう。ただしどんなに高い技術があったとしてもウェットクリーニングを避けるべき品物もあります。例えば繊維にレーヨンを使用している衣類は水に入れただけで縮んでしまうおそれがありますのでどんなに弱い洗いだとしても水洗いすべきではありません。他にはシワ加工やプリーツ加工のしてある衣類は水で洗うと風合いが変化する恐れがあるのでこれも避けるべきでしょう。また、キュプラやシルクのようにウェットクリーニング自体は可能ですがフィブリル化(ささくれ)を起こす繊維もあるので十分注意しましょう。詳しい注意事項は基本的に品質表示のタブに書いてありますのでよく読んでおくといいでしょう。
 水洗いは家庭でも行う馴染み深い洗い方ですが、今回お話したように洗い方も衣類に与える効果も異なります。品質表示をよく見ながら、その衣類が家庭での選択で十分なのか、クリーニングをするのかよく考えましょう。

 

クリーニング店と洗いの事故は切っても切り離せない関係にあります。衣類は繊維や状態によって取り扱いや洗い方も違い少し扱い方を違えるだけでも取り返しのつかない事故が起こることもあります。基本的には処置を行ったクリーニング店が保障を行いますが、責任の全てがクリーニング店にあるかというとそうでない場合も多々あります。では実際に事故が起こってしまった場合にどこがその責任を負うのか、そしてどの程度保証されるのかをお話していきます。

責任の所在について

 クリーニングを行ったことによってクリーニング事故が生じた場合、その責任は洗いを行ったクリーニング店にある場合が多いです。ですが品物の状態によってこの限りではないこともあります。ではどういった場合に誰の責任になるのでしょうか。

持ち主に責任がある場合

 クリーニング店で衣類がダメになったのにどうして自分に責任があるのかと思うかもしれませんが、衣類の状態によっては一概にお店の責任にできない場合もあります。一番多いのが洗いによって色が落ちた場合です。もちろん直接の原因は洗ったことですが、逆に言えば洗っただけで落ちてしまうくらい繊維の塗料が限界だったということでもあります。色落ちがよく発生する箇所は脇や襟ですが、そこは人が一番汗をかきやすい場所です。汗は長時間付着していると衣類の塗料を破壊してしまいその状態でクリーニングを行ってしまうと取れかかっている塗料が完全に剥がれてしまい結果として色落ちしてしまうということになるのです。他にはクリーニングの結果衣類に穴が空いてしまったということも比較的よく聞く案件ですが、ウール製品は虫食いで繊維に穴が開くことも多く、穴とまではいかなくても今にも切れそうな状態になっている衣類を洗うことによって力が加わって穴が空いてしまう事故はよく起こります。これらの衣類はこちらの管理責任が問われるのでクリーニング事故が起きたからといって弁償してもらえないことが多いですが、洗いによって最後のひと押しをしてしまったことは事実なのでクリーニング代の返却程度は行ってくれるクリーニング店は多いと思います。

メーカーの責任

 まれですが、洗ったクリーニング店でも依頼した持ち主でもなく服を作ったメーカーに責任がある場合があります。それは衣類の品質表示に記載ミスがあった場合です。クリーニング店は品物を預かった際に衣類に付いた品質表示に従ってクリーニングを行います。そしてクリーニング事故が起こった場合、まず品物の繊維と品質表示を照らし合わせ洗い方に問題がなかったかを調べます。そこで品質表示の記載に問題があった場合には服を作ったアパレルメーカーが責任を負うことになります。もしクリーニング店が表示にミスがありメーカーに責任があるという旨をお話してきた場合でも、決してお店側の責任逃れではないのでそれは留意しておきましょう。

クリーニング損害賠償基準について

 さて、責任の所在が明らかになり実際に弁償することになった場合ですが、基本的に全額を負担するというわけではありません。クリーニング業界には、衣類の状態や年数に応じた金額を支払うクリーニング賠償基準というものがあり、全ての弁償はこの賠償基準に則った金額を支払うこととなります。例えば購入してから1年経ち、相応に使用による劣化が見られる上下で3万円した夏物のウールスーツの場合では、クリーニング賠償基準では定価の72%の賠償を定めており21,600円の弁償金額になります。ここで留意しておかなければならないのは、この賠償基準は客観的な価格で定められているもので、そこに個人的な価値は含まれません。個人的な価値観は千差万別な上確かめる方法もなくこれを全て通してしまうととてもクリーニング店は営業できません。そのためクリーニング賠償基準に則った賠償では、よほど新品のものでもない限り全額での弁償ということはまずありません。それでもクリーニング店の方から全額の弁償を提案された場合、それは重大な過失がクリーニング店にあるか、クリーニング店の善意によるものですのでそれが当然ではないということは覚えておきましょう。
 クリーニング事故はとてもシビアな問題です。思い入れのある衣類を台無しにされて憤る気持ちはわかりますが、通常のクリーニング店であればきちんとクリーニング賠償基準にのっとって保証してくれるので、お互いの妥協点を見つけるためにも冷静に話し合いをしましょう。